コクピットまわり
フロントガラスのないコクピットは1年を通して過酷なドライビングを強いられるばかりですが、その楽しさは比べるものがありません。純粋に走る楽しさを満喫できるクルマに仕上げられているんです。

  ■革巻きステアリング/メーカー不明 350Φ
  ■延長ボススペーサー/メーカー不明
  ■コクピットフレーム(上)/オリジナル(特注品)
  ■コクピットフレーム(下)/オリジナル(特注品)
  ■サイドインパクトフレーム/オリジナル(特注品)
  ■ロールケージ/オリジナル(特注品)
  ■シフトノブ/オリジナル「スポーツシフトノブR」
  ■運転席・FRPバケットシート/マグナム
  ■助手席・フラットタイプシート/純正品加工・貼替え
  ■シートベルト/ウイランズ&サベルト
  ■コンビネーションメーター移設
  ■水温計/大森メーター「機械式45Φ」
  ■油温計/大森メーター「機械式45Φ」


HE゙AT SPRINTの外観上のもっとも大きなポイントとなっているのが、フロントガラスが無いことです。
当初はこんなことをするつもりはなかったのですが、結果的には軽い車重&重心の低さを得るのに大きく貢献してくれたようで、運動性能を向上させている要素のひとつになっています。
特に軽くなった車重は運動性能だけではなく動力性能にも影響しますから、それなりに加速感を楽しめる気持ちの良いクルマになっていることと思います。

このクルマの高速走行時のスタビリティを大幅にアップさせているのが、フロア下に取り付けてある「ビートスクランダー(マッスルフレームC4)」と呼んでいる鉄の翼(スポイラー)です。このパーツの装着で“路面に貼り付くようなドライビング”を実現させられているわけですが、速度を上げるほどに高い安定性を生み出しています。
フロントガラスの無いスタイルは前面投影面積が減ることで空気抵抗も減るといわれていますが、そのままではフロントまわりの揚力が強くなってフロントの浮き上がりを感じていましたが、「フロントアンダーカバー」と「ビートスクランダー」の装着により高いスタビリティを発揮しています。

コクピットの内装はフロアカーペットはもちろんのこと、アンダーコートだってありません。
さらにドアは外板のみ(純正のスチール製)としてボルトオン固定され、そのその中央部分には直径32mmのステンレスパイプで作られた「コクピットフレーム」が上下に取り付けられており、さらにロールバーから伸びるサイドバーにより“超高剛性ボディ”が出来上がっているんですよ。
ドアのスグ内側には側面衝突時に命を守ってくれる「サイドインパクトフレーム」を取り付けていますが、安全性については固すぎるボディを考えると疑問ですね。

ステアリングは350mm径のものを使用していますが、以前はもっと小径のものを使用していましたがサーキットでのハードなドライビングを考慮してこのサイズになりました。カウンターなどを当てる際には小さな舵角調整が必要になるのですが、それをやりやすくするためには350mm径が必要だと感じています。
それからシートをバケットシートに変えて、できる限り低く取り付けています。私の場合はスライドレールを使わずに固定していますから思い切り低く取り付けられているのですが、それに合わせてステアリングの位置も低くしてあるんですよ。

それからシートポジションをできる限り低くすると純正のコンビネーションメーターがかなり見難くなりますが、それを解消するためにメーターの取り付け位置を移変えてあります。
本来はステアリングの内側から見ていたメーターですが、このクルマではステアリングの上側に見えるようにしていますから視認性が大きく向上し、スポーツドライビングにも大きなメリットがあると思っています。

シートベルトはウイランズ製「4点式シートベルト」を取り付けて構造変更申請して車検を取得していますから、誰に気兼ねすることなくレーシングタイプのシートベルトを使用できています。普通のシートベルトに比べると装着が面倒なのが欠点ですが、確実に身体を固定できますからスポーツドライビングには欠かせませんよ。
さらに運転席側にはサベルト製「5点式シートベルト」を取り付けているのですが、4点式でも5点式でもいったんシートに収まってシートベルトをしてしまうともうクルマから降りたくないんですよねぇ・・・。

センターコンソールの代わりに取り付けてある「コクピットフレーム/上」は、前後のバルクヘッドをつないでボディ補強に一役かっているだけでなく、本来ヒーターユニットがあるべき位置にバッテリーを搭載できるようにしてあるのですが、さらにシフト装置を約6cm上方向に持ち上げるて固定するなど、さまざまな工夫をしてあります。
コクピット内にパイプフレームが大きな顔をすることで、まるでパイプフレームで作られたレーシングカーのように思わせているわけですが、キラリと光るステンレスパイプが目に付くことで仕上げの悪さをごまかしているんですよ。

ボディの裏側に取り付けられている「コクピットフレーム/下」は「マッスルフレームC1」を基本としたものでので、メインパイプに直径32mmのステンレスパイプを2本使用し、その中を冷却水が流れるようにしてあるというユニークな構造です。
ノーマルの水路をすべて取り去ってしまって代わりに取り付けてあるわけですが、こうすることで路面とのスペースを余裕で確保できているわけです。もし「マッスルフレームC1」を32mmパイプで作ってしまうと、車高を下げたときに路面とのクリアランスが気になるかもしれませんからねぇ・・・。

動力性能に関してはNAの660ccエンジンでは大して期待できないかもしれませんが、私としては結構満足しています。それよりもミッドシップのスポーツカーならば運動性能が大いに期待できますから、それを飛躍的に向上させているのがコクピットまわりのボディ補強になります。
すべては高いコーナーリング性能を得るためのチューニング&カスタマイズですが、その楽しさは抜群ですよ。

こうして軽量・高剛性・低重心という特徴を持ったクルマに仕上げたわけですが、この性能を発揮させるためにはドライバーの技術が何よりも問われますから、忘れずにドライバー=私自身もチューニングしなければなりませんね。
シンプルなコクピットまわり
メーターはこんな感じ
ステアリングの上に見えます
サブメーターに消火器に
ETCにシガライターソケットあり
乗員保護のための
ロールバー
側面衝突から身を護る
サイドインパクトフレーム
FIA公認の
バケットシート&シートベルト
※ボディ補強はクルマ全体でのトータル・チューニングですから、コクピットだけではダメですよ。