“HEART- BEAT MOTORS 胸が高鳴るクルマ、ただそれだけを造る。” なんていう自動車メーカーのコピーがありましたが、本当に良い言葉だと思います。
その言葉のとおりに、そんなクルマを作ってくれたとしたら、どれほどうれしいことでしょうか。ただし感覚は人それぞれで異なりますから、多くの人々の胸を高鳴らせるような“魅力づくり”はちょっと不可能に近い気がしますが・・・。

目の前にあるこの小さなスポーツカーは、私たちの胸を高鳴らせることができると共に、心を振わせて(奮わせて)くれることは間違いありません。そんなスポーツカーと出会えたことに感謝したいですよね。
でも、自分のクルマをよく見ると(よく見なくてもわかりますが)以前とはかなり形が変わっているように感じます。
心を振るわせているうちに、進化?!してしまったようです。皆さんのクルマもこんな調子で進化してしまうことがあるとは思いますので、くれぐれも“HEAT”しすぎないようにご注意ください。
index  ビートに必要なクーリング性能とは?!
 ミッドシップを満喫したい!!
 味付けはハッキリしてなきゃダメ!!?
 
ビートに必要なクーリング性能とは?!
ボディを効果的に補強することで、誰にでもミッドシップを満喫できる見違えるようなスポーツカーに変身させることができるのですが、その利点のミッドシップであることがクーリングに悪影響を及ぼしていることは間違いありませんよね。

ビートの運動性能の低さが“ボディ剛性の不足”としていわれているように、クーリング性能の低さも“冷却能力の不足”となるのですが、単純にラジエターだけの問題ではありませんので、それを少し考えてみたいと思います。

私としては、あくまでもストリートを楽しむための仕様を考えていきたいと思っていますが、まだまだ暑い日が続きますから、ここで安心して楽しめる仕様を見つけていただければ良いと思います。



●街乗りメイン+ワインディングも楽しみたい方のための仕様
通勤や日常の足としても使用しており、それほど水温・油温に気を遣うわけでもない街乗りメインの方にもおすすめしたいのが、「大容量ラジエター/銅2層タイプ」と「水冷式ラジエター」の組合わせです。

ちょっと遠出しようと思うと高速道路を使用することがあると思いますが、そこで時速100キロで巡航しただけで何の対策をしていないビートならば水温95℃・油温110℃超なんていうことが当たり前のように起こります。そもそもエンジンオイルは油温110℃程度までの性能しか持っていないのですから、それを超える温度域での使用は考えなければなりませんし、油温110℃を超えたならばオイル交換すべき?!という声もあるくらいですから、ビートにとってはつらいところです。
さらに巡航速度が上がれば、当然のことながら温度は上がりますから、あっという間に油温は130℃に達してしまうことになってしまうんです。
それを抑えるためのチューニングが“ラジエターの容量アップ”と“オイルクーラーの追加”になるのですが、水温計や油温計を取り付ける前であっても、ビートにはこうした装備が必要最低限であることがわかっていますから、取り付けられることをおすすめしたいですね。
その後のメンテナンスが楽になりますから、決して贅沢なパーツとは言い切れませんよ。


●街乗りにも使っているけれど、峠やサーキットを熱く走りたい方のための仕様
ストリート仕様として街乗りにも使っているけれど、峠やサーキットでの熱い走りを楽しみたいという方には、水温や油温に気を遣っていただかなくてはクルマが壊れてしまいます。
残念ながら、先にあげた「大容量ラジエター/銅2層タイプ」と「水冷式ラジエター」の組合わせだけでは不十分であるとも考えられますから、もう少し進化させて安心できるクーリング対策が必要になりますね。

熱い走りをするということは、車速と比例しない高回転域でのエンジン使用が当たり前になっていることがありますが、そうなると油温が大幅に上がりますから、油温上昇を抑えるためには“より強力な冷却水のクーリング効果”が欲しいところです。
そのためには(油温を抑えるためには)、水温を80〜90℃でコントロールしたいところです。それを可能にするためには「ローテンプサーモスタット」や「ローテンプサースイッチ」の併用だけにとどまらず、できることならば「アルミ製ラジエター」が欲しいですね。それほどに、ビートのラジエター搭載位置でのクーリング能力アップは難しいのです。

街乗りよりも峠やサーキットに照準を合わせたいと言う方には、「水冷式オイルクーラー」よりも「空冷式オイルクーラー」の方が良い思いますが、どちらにしても熱い走りをしたいという方は水温計および油温計を取り付けて、きちんと現状把握した上で適切な対策をとっていただきたいと思います。


サーキット専用車として使用するならば「超大型アルミ製ラジエター」や「空冷式オイルクーラー」が必要になりますが、ストリート仕様としてはノーマル形状の「大容量ラジエター」で取付サイズや位置を変えないことを前提として、さらに「水冷式オイルクーラー」を併用して水温と油温をシンクロさせることで、オールシーズンにわたって管理を楽にしようと考えたわけです。
私の愛車HE゙AT SPRINTに近い仕様のスポーツカーを何度も目にしていますから、結構スパルタンなスタイルで楽しんでおられる方もいますが、一般的にはクーラーを活かしていますのでそういうクルマを前提にしているんです。

ストリート仕様に「水冷式オイルクーラー」を選択した理由は、オイルラインを余分に作る必要がありませんから、メンテナンスにおけるリスクが低くなるからです。確かにウォーターラインは追加しなければなりませんが、油圧の高いオイルではなく冷却水ですから、そのメンテナンスにおけるストレスも大きく軽減されることと思います。
冷却能力としては十分と言い切れませんか、ストリート仕様としては悪くない選択だと思います。

暑〜い時期はあと1ヶ月程度というところでしょうが、熱〜い走りをする者にとってはまだまだ油断できない時期が続きますから、より良いコンディションでスポーツドライビングを楽しみたいですよね♪[2006.08.19]
ミッドシップを満喫したい!!
以前にMR2(AW)をいじって乗っていた私には、ビートというクルマはミッドシップらしく感じられません。スタイル的には結構気に入っているのですが、どうも動き(運動性能)が悪いと感じていました。
MR2(AW)やAZ-1並みの回頭性は欲しいし、何よりも丈夫なボディが欲しい。スーパーセブンのように軽いボディにも大きな魅力を感じるし、強靭なパイプフレームにもあこがれてしまいます。もちろん、サスペンションだって大切な要素ですから、ちゃんと機能してくれる足も必要です。だけど、個人的にはタイヤのグリップに頼らなければならないようなクルマにはしたくないですね。
速く走ることが目的ではなく、より楽しいスポーツカーに乗りたいのがその本心ですから、結果的に速く走れるようになってしまうこともありますがこれはあくまで副産物、まずは自分自身が楽しめるクルマであって欲しいですね。

スーパーセブン(正確にはシュペールマルタン)にも乗っていた私にとって、軽さとその運動性能は何よりの魅力でもあります。それを手に入れるためには屋根のないオープンカーはもってこいなのてすが、ボディが剛性が低ければ問題外となってしまいます。
スポーツカーに丈夫なボディは必要不可欠ですが、特にエンジンを座席後部に置くミッドシップ・スポーツカーにとってボディ剛性の不足は、最大の楽しみであるはずの運動性能が発揮できなくなりますから、“クリープを入れないコーヒー”のような(こんな言葉がありましたよね)状態になってしまいます。
そこで登場するのがボディ補強で、とりあえず弱い部分を補強しておいて、さらに運動性能を高められるようにスパイス(補強パーツなど)で味付けしてしまうと、自分なりのスポーツカーが出来上がります。

HE゙AT SPRINTの場合は、もっと機敏に軽く動けるようにと重量物をできる限りドライバーの肩よりも上には置かないようにする(重心を下げる)ことに注意してきましたが、結果的にフロントガラスまでなくなってしまいました。(笑)
私の思惑通りに、スーパーセブンと変わらない“超スパルタンなクルマ”になってしまいました。動力性能は比べる気にもなりませんが、コーナーリング性能ならば負けませんよ!!

フロントガラスが無いせいでもありますが、普通のクルマに乗るのとは違って、すごく疲れるクルマなんです。まるでオートバイに乗っているような、そんな感じです。
これで良かったのかなと考えることもありますし、もう少しこの部分の補強を入れておけば良かったかも?!と思ったり、とりあえずは一通りのセットアップが終わっていますが、まだまだ私のスポーツカーづくりは終わったわけではありません。これから、もっともっと楽しめるクルマにしなければと思っています。

このクルマのおかげで数々の「マッスルフレーム」を始めとしたオリジナルパーツを発売することができたわけですから、このビートこそがHE゛AT DRIVERそのものでもあります。そして、このクルマのDNAを持ったパーツを気に入って購入していただき、使用してもらえることを大変うれしく思っています。
いつまでもビートというスポーツカーを、一緒に楽しんでいきましょう♪
味付けはハッキリしてなきゃダメ!!?
私の好きな食べ物といえば、「カレーライス」に「焼肉」に「イタリアンスパゲティ」に「こってり系ラーメン」などですが、共通して言えることといえば、このタイトルのとおりに“味付けがハッキリしていること”ですね。
基本的には私の頭の中には、○か×のどちらかの選択肢しか持ち合わせていないので、どうしても食べ物にも白黒ハッキリとしたものを好む傾向があります。健康のことを考えると良いことばかりとは言えませんが、食べることの楽しさを存分に味わうには必要なんですよね。
まあ実際には、健康を考え(過去にボクシングなどのハードなスポーツをしていた経験が役立っています)ながら、欲求を満たすことができるような食事をしています。でも、最近はついつい食べ過ぎてしまって、体重が徐々に重くなりつつあります。また、ダイエットを考えなきゃいけません・・・。(汗)

人間というのは(私だけかもしれませんが)何に対しても同じような傾向で接してしまうものですから、ことクルマに対してもハッキリとした味付けを求めてしまっています。
私の目指すビートの姿とは“オートバイのようなスポーツカー”ですが、もっと具体的に言うならば“優れた運動性能を持ったミッドシップ・スポーツカー”です。
それに近いのが「ランチア・ストラトス」ですね。

ドライバーのスキルは問われるでしょうが、運動性能を高められたミッドシップカーの楽しさは“とびきり”でしょうし、それをコントロールする醍醐味もまさに“強烈”でしょう。
それをビートで実現したいのですが・・・。

その反面、デメリットも多少あることと思いますが、そのデメリットさえも自分が飲み込んでしまえれば、そいつはただの個性として考えられると思っています。(笑)

自分の好みや目的に合ったチューニングやカスタマイズについては、より具体的に捉えていった方が簡単に楽しさを増やせるように考えています。
まずはビート自体をよく理解して、本来の性能を楽しんでからカスタマイズやチューニングを楽しんでいきたいですが、すでに手が入っているクルマの場合は“現状をチェックする”ことから始めたいですね。簡単に言うならば、どこが好きでどこが嫌いかを見つけるようなことです。その結果、良いところは伸ばして足りないところは補ってやれば上手なカスタマイズやチューニングができると思います。
ただし、悪いところがあったとしても、それをすべて消そうなんて考えないほうがいいですね。なぜならば、それが大切な個性だったりすることがありますから、まずは理解し共存することを考えていきたいものです。

『良いところは伸ばして、足りないところは補う』ことの中で、さらに自分の好みや目的に合わせた内容を盛り込めば、あくまで方向なのですが、インスタントな“プランの作成”となります。それに合わせたクルマ作りを実践して行けば、比較的無駄なコストをかけずに楽しむことができます。
ココで大切なことは、その都度しっかりと楽しむこと。カスタマイズやチューニングにおいて達成感に満たされることは大切なことですが、それに溺れてしまっては何のためなのかわからなくなってしまいますから、時間をかけてでも大いに楽しんで行きましょう。そしたら、また何かを感じることができるでしょうから、そこから新たにプランを作ることも可能です。

自分のクルマを完成させようなんて思っていては面白みが減ってしまいますし、そんなことはできるわけないとも思っています。どこがベストなのか正直なところわからないでしょうし、もっと良い方法はあったりするものです。もちろん、あるところで納得すること(≠妥協)も必要でしょうし・・・ね。
大切なことは、“もっと良くしよう(=ベター)”と考えていくことですから、自分のお財布の様子を見ながらでも、自分にとってのより良い状態に近づけていきたいものです。

性能アップや個性の主張などはみんな楽しいクルマ遊びのひとつですが、何よりも自分自身が思いきり楽しめるクルマに仕上げることを忘れたくないですね♪
※自分だけのオリジナル・スポーツカーで、より楽しくクルマと付き合いたいですね!!