フロントまわり
“赤い顔(フロントバンパー)”がチャームポイントになっているフロントまわりですが、ボンネットの中はビートとは思えない仕様になっていて、私の“こだわり”が詰まっています。

  ■マッスルフレームF0S/オリジナル(特注品)
  ■マッスルフレームF2S/オリジナル(特注品)
  ■マッスルフレームF5S/オリジナル(特注品)
  ■フロントフロアフレーム@/オリジナル(特注品)
  ■フロントフロアフレームA/オリジナル(特注品)
  ■FRPフロントバンパー/メーカー不明
  ■FRPボンネット/アデレイド・プランニング製
  ■フロントアンダーカバーB1/オリジナル
  ■ステンレス・リベット打ち補強
  ■ラジエター移設


HE゙AT SPRINTの剛性アップの目玉は、なんといってもフロントまわりにあります。
ストラットタワーバーを超剛性タイプとして製作していますが、特にフロントのメインフレーム部分を抑えるような形で伸びたパイプは強力無比な補強であり、「マッスルフレームF5」にもこのスタイルを採用しています。
また、ロアアームロッドは「マッスルフレームF2」に似ていますが超強力な特注品を取り付けており、あわせて「マッスルフレームF3」に相当する特注品も取り付けてあります。トータル的には恐ろしいほどの剛性を与えているんですよ。

ビートはフロントまわりがとても柔らかいので、それによって誰が乗っても安全に乗れるようにしてありますが、スポーツドライビングを楽しむには反応が悪くコントロール性が低いのが気になります。それでもリヤまわりの剛性が勝っていますから前後の剛性バランスとしては悪くないのですが・・・。
ミッドシップのスポーツカーとして運動性能を発揮させるためには、かなりフロントまわりを強化しておいた方が面白いと思いますが、そのためにはリヤまわりの剛性アップを忘れてはいけません。ある意味ではフロントまわりの剛性を上げるためにリヤまわりの剛性を上げておくということになりますが、このあたりはブレーキの性能アップにも同様のことが言えますね。
単に剛性を上げるだけでなく前後のバランスを整えることで、高い運動性能とコントロール性を得られ、スタビリティを大幅に向上させるというわけです。

このクルマでは本来フロントナンバープレートの真後ろにあるはずのフレーム板を冷却効率UPために取り外し、ラジエターの搭載位置を移動させています。これはエアコンを取り外してしまったからできることですが、整備性が良くなっていることが一番うれしいことです。
ラジエター自体は“純正ノーマルの銅1層タイプ”を使用していますが、これでも十分な水温管理ができるほど冷却効率が上がっています。これはラジエターに取り付けられた導風板(コアを囲んでいる板)のおかげだと考えていますが、真夏のサーキット走行ではこの板を大きくすることで対応できてしまうんですよ。

ボディにはスポット溶接部の補強のために「ステンレス・リベット」をたくさん打ってあり、たいしてボディ剛性が上がるわけでもありませんが確実にボディをきしませないようにしてあります。
リベット補強は溶接するよりもずっと簡単ですし、ステンレス製のリベットであれば緩みも少なく強度もありますし、何よりも溶接時のような高熱が加わりませんから錆の心配が少ないのがメリットのひとつです。それでも剛性アップの度合いはスポット溶接増しと変わりませんから、とても効果的な方法だと考えています。

スタイリングのポイントとして“赤い顔(フロントバンパー)”と穴あきボンネットがあります。
無限タイプのフロントバンパーはメーカー不明ですが、コストパフォーマンスに優れた製品なんです。前に取り付けていたフロントバンパーはとても気に入っていたのですが、どうしても路面等の接触が気になってしまうのでこのタイプに変えてしまったわけです。
フロントバンパーにはブレーキクーリングダクトとして使用できる穴が開いているのですが、このバンパーを選んだのはこの穴が使いやすいこともあげられますね。
ボンネットに開けた大きな穴はラジエターまわりの排熱を促すものですが、空力的なメリットは少ないでしょうね。

フロントのナンバープレートはボンネットに直接取り付けられていますが、決して違法ではなく保安基準に適合しています。取り付ける場所がなくなってしまったというのが本音ですが、私としては“ゼッケン”みたいにイメージしています。
ナンバープレートを本来の位置に取り付けると空力的にもラジエター冷却にも妨げとなりますから、この位置が理想的と言えるんですよ。

フロントまわりの空力もクルマの運動性能を左右しますから、「フロントアンダーカバー」を付けて安定感を得ています。もともとはフロントガラスが無くなったことによるフロントの浮き上がりを防ぐために作ったのが「フロントアンダーカバー」でしたが、このクルマでは「フロントアンダーカバー」にも小型のスポイラーを取り付けてダウンフォースを作っています。
「ビートスクランダー(マッスルフレームC4/試作品)」との相乗効果により、5速×8000回転での高速走行時であってもスタビリティ抜群で、片手運転が出来るほどなんです。
とはいえ、クルマの空力は向上していますがドライバーへの対策ができていませんから、高速走行時は首がかなり疲れるのは言うまでもありません。 [2008.12.25]
無限タイプの
赤いフロントバンパー
牽引用フックと
ブレーキクーリングダクト
風除けとなる
スチール製スクリーン
フロントまわりの
補強とラジエター位置
超シンプルな
ラジエターレイアウト?!
頑丈なフロントタワーバーと
ステンレス・リベットによる補強
※「マッスルフレーム」による剛性アップは、ミッドシップ本来の運動性能を発揮させます。