エンジンまわり
もともと元気が良いビートのエンジンですから、吸排気系+周辺のチューニングを施して扱いやすいエンジン特性等を得ていますが、剛性の高いボディと相まって最高に楽しいクルマに仕上がっています。

  ■エアクリーナーシステム/オリジナル
  ■エキゾーストマニホールド/オリジナル
  ■エアファンネル/マッドハウス「ショートタイプ」&「ダクトファンネル」
  ■ECUファインチューン/秘密?!
  ■ROM/KEISPEED
  ■エンジンオイルクーラー/オリジナル
  ■スポーツキャタライザー/オリジナル(特注品)
  ■シリコンプラグコード/永井電子
  ■アーシングシステム/オリジナル
  ■スパークプラグ/デンソー「イリジウムパワー:IK31」
  ■デスビベンチレーター/オリジナル
  ■エンジンマウント/オリジナル
  ■マッスルトルクロッドR/オリジナル
  ■バッテリー強化/オリジナル「HE゙ATサンダー」


HE゙AT SPRINTのエンジン本体はノーマルそのままで、もともと元気の良いホンダ製エンジンですから、そのトルク特性を変えることで全域で扱いやすいエンジン仕様に変えています。
吸排気系のパーツ交換は効果が高く、スムーズに排気できるように整えたエキゾーストマニホールドとキャタライザー+長い管長を持つマフラーにより、トルク変動を抑えた扱いやすいエンジン特性を得られていることと思います。

エアクリーナーは「スポーツエアクリシステム」をベースとした製品で、エアフィルターの取り付け位置を変えています。本来は口径60Φのエアフィルターを使用しますが、メーカーに在庫が無かったので口径80Φのエアフィルターを異径シリコンホースで接続しています。
このエアフィルターが特筆モノで、湿式ながら乾式に勝るとも劣らない吸気性能が得られますから、エンジンのダメージ等を考えるとストリート仕様のスポーツカーには嬉しい製品なんですよ。

もうひとつ気に入っているのが「エアファンネル」で、私が使用しているものはマッドハウス製のショートタイプですが現在は販売されておりません。エンジンのレスポンス向上やパワーUPだけでなく、この存在感がたまりませんね。特に吸気抵抗の低いエアクリーナーを使用している場合は、低中速域の扱いにくさを補うためにもファンネルを使用することをおすすめします。
現在うちで取り扱っているのは「みつファンネル」で、ファンネル部分の形状の見直しからマッドハウス製以上の効果が期待されています。長さ的にはマッドハウス製のショートタイプに相当するのが「みつファンネル」では55mm」に該当していますので、これを販売しているというわけです。

排気系の目玉のひとつはなんと言っても「タコ足(エキゾーストマニホールド)」ですね。こいつがあるとなしでは“扱いやすさ”が大きく異なるほどの効き目のあるパーツです。レスポンスアップはもちろんのこと、高速域だけでなく低速域の使い勝手だって向上できるほどですから、おすすめ中のおすすめです。
そのうえ内部のスムージング加工を施し、さらにシリンダヘッドのエキゾーストポートをガスケットのサイズまで削って広げてありますから、ものすごく扱いやすい特性に変わっているんですよ。
ただし、この手の製品はエキゾーストパイプがボディ(=バルクヘッド)のすぐ近くに来てしまうのでECUにダメージを与える可能性がかなり大きいことを知っておいてください。取り付けている方は、必ず熱害対策をするようにしましょう。

また試作として作った「メタルキャタライザー」を使用していますが、この部分は「キャタライザーチューンを施した純正触媒」+「スポーツマフラーコネクター」を取り付けても大差はないと思います。
このクルマについているメタル触媒本体は非常に大きいので浄化作用は期待できそうですが、排気効果としてはあまり気体ができないかもしれませんね。

それとエンジンの搭載位置を10mm下げてあります。販売している製品では「エンジンローマウント」として5mm下げられるものを用意していますが、このクルマに取り付けられているのはその試作品である“10mm版”というわけです。
さすがに重量物を低い位置に積み直すことができるわけですから、たった5mmや10mmというサイズであってもスポーツドライビングにターゲットを絞ったクルマには大きな運動性能アップが期待できると思います。

スポーツドライビングを楽しむためには、エンジンの不必要な揺れも抑えなければなりません。特にビートのエンジンはミッドシップであることからも揺れの影響を受けやすいようですから、運動性能にも影響してくることと思います。それを考慮して、このクルマでは前後左右のエンジンマウントをすべて強化しています。
フロント側は「エンジントルクロッド」、リヤ側は「エンジンリヤマウント」、左右側は「エンジンサイドマウント」により、それぞれに強化品が取り付けられているわけですが、振動が増えたことは間違いありませんが不必要なエンジンの揺れを効果的に抑えられ、コーナーリング中のレスポンスやシフトフィーリングの向上などが十分に発揮されています。

エンジンの温度管理は有効にパワーを使うためにも、エンジンのダメージを抑えるためにも大切な要素ですが、このクルマには“空冷式オイルクーラー”を取り付けてあります。
販売しているのは純正部品を流用した「エンジンオイルクーラー(水冷式)」ですが、以前はそれが取り付けられていたのですが、現在ではサーキット等での冷却性能を考慮して空冷式に変更しています。
クーラーユニットはオートバイの「BMW1150R」に取り付けられていた純正品で、十分なコア容量がありましたし、安価だったのでコレに決まりました。取り付け位置が地面に近くなってしまったことが気になりますが、性能的には期待通りの仕事をしてくれるのではないかと考えています。

もちろん「オイルキャッチタンク」も取り付けられていますが、高回転でエンジンを回すことが多いドライバーには必要不可欠なパーツですね。
エンジンからのブローバイガスには油分を含んだ水蒸気が出ますから、その中に含まれる油分(エンジンオイル)を取り除いておきたいものです。特にオイル上がり等を起こしているエンジンではオイルの量が多くなりますから、エンジンの調子を守るためにもオイルキャッチタンクが欲しいところです。

エンジンについては動力性能よりも調子良く動いてくれているだけで嬉しいところですが、扱いやすい特性を得られたことが何よりも嬉しいところです。[2007.09.23]
エンジンまわりを
上から眺めた様子
内部にファンネル形状を持つ
高性能エアフィルター(湿式)
マッドハウス製の
ショートファンネル
エンジンフィールを好変させる
HE゛ATチャージャー
水冷式オイルクーラーで
油温を安定化
排気系はすべて変更済み
メタルキャタライザー付き
※吸排気系のみのチューニングですが、軽い車重と相まってポテンシャルは高いですよ。